グローバル化が進む現代において、ECビジネスの海外展開を目指す企業が年々増えています。その際に効果的なマーケティング手法の1つとして注目されているのが「海外SEO」です。

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海外SEOとは?
海外SEOとは、日本以外で特定の国や地域をターゲットとした検索エンジン最適化のことです。海外市場のSEO対策をおこなうには、異なる言語や文化、地域の法律や検索エンジンの特性を考慮し、ターゲット国のユーザーに最適化したコンテンツを提供する必要があります。
例えば、アメリカ市場をターゲットにした場合、Googleを意識して現地のトレンドや文化的な違いを理解することが重要です。一方、中国市場を狙う場合は、Baiduという検索エンジンの特性を理解し、現地のユーザーが好む形でコンテンツを提供する必要があります。
海外SEOに取り組むべきケース
具体的に海外SEOが必要となるケースにはどのようなものがあるでしょうか。そこでここでは、海外SEOに取り組むべきケースを整理してお伝えします。
販路を拡大したい
通常、日本市場のみに依存すると、市場の飽和や景気の変動によるリスクが高まります。また、同じ商品を扱う同業他社が多いといった状況もあるかもしれません。こういった問題を解決するために、海外に販路を拡大したいと考えることもあると思います。そういった企業にとって、現地での認知度向上や売上拡大に海外SEOが役立ちます。
インバウンドに備えたい
外国から観光客が日本に訪れることを「インバウンド」と称し近年、その数が増加しています。このような海外からの観光客をターゲットにしたいと考える企業も多いと思います。インバウンド需要を取り込みたい場合、海外の旅行者に向けたプロモーションが欠かせません。その際、海外SEOが重要な役割を果たします。
なぜなら、検索エンジンを通じて情報収集する外国人旅行者が多いためです。海外SEOによって検索結果で上位表示しておけば、それを見た外国人旅行者が実際に自社に訪問し、商品を購入することにつながります。
グローバルな人材を採用をしたい
企業が海外の人材を採用したい場合、WEBを通じて自社の認知度を高めることができます。国によっては、企業の情報を求める際にインターネットを利用する傾向が高いからです。例えば、企業のWEBサイトや採用ページを海外の検索エンジンに最適化させておけば、そこから、グローバル人材の獲得につなげることができます。
海外SEOのポイント
海外SEOに取り組む際には、日本との違いに留意する必要があります。主なポイントは次の3点です。
- 言語が違う
- WEBサイトに求めるニーズが異なる
- 普及している検索エンジンが違う
上記3点を1つずつ解説します。
言語が違う
海外SEOに取り組む際には、まず対象国の言葉でWEBサイトを作成する必要があります。単なる翻訳ではなく、現地の文化や事情にあった表現であることが重要です。
また、現地の人が実際に使用している検索キーワードを調査し、そのキーワードを中心としたSEO対策が欠かせません。国ごとに検索習慣が異なるため、ターゲット国の分析が必要です。
例えば、フランス市場に参入しようとすれば、最初にフランス語でつくられたWEBサイトを作成します。その後、フランスで使用している検索エンジンのデータを分析し、そのキーワードに対してSEO対策をおこなうようにしてください。
WEBサイトに求めるニーズが異なる
海外SEOをおこなう際、国ごとにWEBサイトに対するニーズが異なることを考慮する必要があります。
例えば、日本では正確で充実した情報量を求めるユーザーが多いのですが、アメリカでは強いメッセージ性とコンパクトな情報提供を好む傾向にあります。また、中国市場では、多様なコンテンツと派手なデザイン性が好まれます。
このため、単に翻訳するだけでなく、各国の文化的背景を考慮した表現や情報提供の仕方が必要です。国ごとの違いを理解したうえで、現地向けの最適化をおこなうことが海外SEOでは欠かせません。
普及している検索エンジンが違う
国や地域によって、普及している検索エンジンが異なります。アイルランドの企業が運営するWEBトラフィック解析ツールのStatConuterで2022年1月〜12月間の検索エンジン利用率を見てみると、下記のとおりGoogle検索エンジンが世界中で圧倒的なシェアを誇っていることがわかります。

- Google:91.88%
- bing:2.87%
- Yahoo!:1.12%
- YANDEX:1.02%
- DuckDukGo:0.52%
- Baidu:0.42%
その一方で、中国では政府が情報規制している関係で、独自のBaidu(百度 / バイドゥ)という検索エンジンが広く普及しています。逆に、Google検索エンジンのシェア率は極めて低くいです。具体的にはStatConuterによる2022年1月〜12月間の検索エンジン利用率では、下記のような結果が出ています。

- Baidu:49.1%
- bing:14.95%
- Sogou:12.71%
- YANDEX:9.13%
- Google:6.69%
- Haosou:4.71%
このように、国によって普及している検索エンジンが大きく異なるケースもありますので、現地で利用している検索エンジンを把握のうえで適切にSEO対策することが求められます。
【基本】海外SEOに取り組む手順
ここでは、実際に海外SEOに取り組む際の手順を整理してお伝えします。次の3つの手順で進めてください。
- ターゲット国を決める
- 日本向けWEBサイトの品質を高める
- コンテンツを翻訳する
- 海外向けWEBサイトを構築
- 現地のキーワードを調べる
- WEBサイトの最適化
上記の3ステップを1つずつ解説します。
参考ページ: How to Optimize Your Website for Other Countries – Hubspot
1.どこの国をターゲットにするかを決める
最初に自社がどの国や地域をターゲットにするのかを決める必要があります。その際に、考慮すべき点としては、その国で見込めるの需要や経済状態などです。また、可能であれば、すでに類似品を売っている競合他社がどれくらいいるかなども確認してください。
また、ターゲット国が変われば、ニーズや文化が異なるだけでなく使用される検索エンジンも異なる可能性があります。たとえば、中国では、主にBaiduが利用されています。そして、BaiduにはGoogleとは異なる独自のSEO基準やアルゴリズムが存在します。このように国によって対応が変わるため、最初の段階でどこをターゲットにするのかを決めてください。
2.日本向けWEBサイトの品質を高める
海外向けWEBサイトを構築する前に、まずはすでにある国内向けWEBサイトの品質をチェックしてください。なぜなら、翻訳のもととなるサイト品質が、新たに構築した海外向けWEBサイトの品質に直結するからです。
例えば、日本向けのWEBサイトの品質が低く、情報量も不十分だとします。それを現地向けのWEBサイトに翻訳しても、やはり品質は低いままです。逆に、日本向けのWEBサイトの品質が高ければ、翻訳後も良質なWEBサイトになる傾向が高いです。
3.コンテンツを翻訳する
現地の市場調査などを通じて、既存の日本向けWEBコンテンツをターゲット国の言葉に翻訳します。ただ、機械翻訳しただけでは、非常に不自然なコンテンツになってしまうため注意が必要です。自社にターゲット国の文化や言語を理解している従業員がいない場合は、ネイティブな人材を雇い翻訳依頼するなどのことを検討してください。
4.海外向けWEBサイトを構築
このステップでは、翻訳したコンテンツをWEBサイトの形にして公開します。日本向けのWEBサイトを構築するのとは異なり、URLやサーバーなどに注意を払う必要があります。具体的には、下記の3点に注意してください。
言語ごとにURLを用意する
言語ごとに独自のURLを設定してください。というのも、異なる言語のコンテンツを持つページが同じURLで表示されると、検索エンジンはそのページがどの言語や地域をターゲットとしているのかを正確に識別するのが困難になります。言語ごとにURLを明確に分けることで、検索エンジンはコンテンツの対象言語や地域を正確に判断でき、関連する検索クエリに対応する適切に結果を表示することができます。
hreflang属性を設定する
hreflang(エイチレフラング)属性とは、同じ内容のページが複数の言語で存在する場合に、検索エンジンに対して「このページはこの言語のバージョンです」と明示するためのHTML属性です。この属性を設定することで、検索エンジンは英語版を英語の検索結果に、日本語版を日本語の検索結果に表示します。
対象地域のサーバーを利用する
サーバーはターゲット国やその周辺地域のサーバーを利用してください。なぜなら、検索順位はどの地域にあるサーバーにデータがアップされているかによって影響を受けることがあるからです。例えば、掲載されるサイトが現地のサーバーにアップロードされている場合、その地域の検索エンジンはサイトを地元密着型と判断し、その結果として検索順位が向上する可能性があります。
参考ページ: 多言語SEOにおける設計のポイントと多言語サイト制作時の注意点
5.検索キーワードを調べる
ターゲット国で主に使われている検索エンジンを確認してください。そのうえで、検索されているキーワードを調査します。いくつかのキーワード選定ツールがありますが、ターゲット国で使用されている検索エンジンがGoogleなら、Ubersuggestなどで調べることができます。
また、海外SEOを進める際には、日本語とその国の言葉の違いを理解しキーワードを選定してください。ズボンを例にとると、アメリカ英語では「Pants」、イギリス英語では「Trousers」と訳されます。他にも次のようなキーワードが例として挙げられます。
アパート
アメリカ英語: Apartment
イギリス英語: Flat
車のトランク(荷物入れ)
アメリカ英語: Trunk
イギリス英語: Boot
6.検索エンジン最適化
購買に結びつくキーワードを特定したら、その地域で使われている検索エンジンに対して、WEBサイトを最適化します。具体的にはターゲット国で使用されている検索エンジンの傾向を調べ、どういった対策が効果的かを予想しテストを繰り返します。テストを繰り返している内に、効果的な方法が見えてくるため、WEBサイトをそのルールにあわせて最適化します。
また、この段階になれば、海外向けコンテンツマーケティングにも取り組んでください。さまざまなキーワードに対して、役立つコンテンツを作成し、それを公開することで着実に集客力が向上します。
参考ページ: 海外のコンテンツマーケティングの事例5選! 取り組みのポイントも解説
海外SEOでアクセス数を増やす方法
アクセス数を増やすには、ターゲット国で使用されている検索エンジンの特性に応じた対策が必要です。ですが、比較的どの検索エンジンにも有効な方法もあります。そこで、アクセス数を増やすために次のことに取り組んでください。
現地の被リンクを集める
現地で公開されているWEBサイトから、被リンクを集めることは海外SEOにおいて効果的です。そもそも被リンクの獲得は、SEO面で高い効果を発揮します。ただ、どのWEBサイトでも良いわけではなく、自社のWEBサイトと同ジャンルから被リンクをもらうようにしてください。
現地のトレンドを踏まえる
現地のトレンドや話題になっているコンテンツを制作してください。そうすることで、検索エンジンにおいてより高い順位を獲得できる可能性があります。ユーザーは常に最新の情報や流行に関心を持っています。そのため、それに関連したコンテンツを提供すれば、ターゲットの関心を集めることができます。
海外SEOの注意点
海外SEOを効果的に進めるためにはいくつかの注意点があります。国内向けSEOとは大きく事情が異なるので、下記の点に注意してください。
ネイティブチェック
翻訳したあとの表現や言葉遣いを現地のネイティブにチェックしてもらってください。機械翻訳や非ネイティブによる翻訳では、言葉のニュアンスや表現に違和感が生じることがあるからです。
例えば、英語圏でのマーケティングを考えた場合、米国と英国では使う言葉や表現に違いがあります。適切な国のネイティブチェックを経ることで、その国の文化にマッチした最適なコンテンツを作成することができます。
表示速度テスト
海外におけるインターネットの環境は、日本のように高速かつ安定しているとは限りません。特に発展途上国や一部の地域では、回線速度が遅かったり、不安定な状況も考えられます。このため、海外向けのSEOをおこなう際には、WEBサイトの表示速度テストをおこないます。
具体的には、Googleが提供するツール「Test My Site」を利用してください。このツールを使えば、WEBサイトの表示速度を手軽にチェックすることができます。また「Test My Site」3G回線を前提として速度を評価するため、海外のユーザー環境に近い形で評価を確認できるのもメリットです。
参考ページ: Test My Site – Google
海外事情に精通したSEOコンサルタントに依頼
SEOコンサルティングを受ける場合は、海外の事情に精通したコンサルタントに依頼してください。SEO戦略は、国内市場とは異なる多くの要因を考慮する必要があるからです。
例えば、地域特有の検索エンジンの動向、文化的な違い、言語のニュアンスなどです。特に、初めて海外展開をおこなう企業や、複数国で展開を考えている企業にとって、このような専門家のサポートは不可欠です。
参考ページ:SEOコンサルティング会社9選!自社にあった会社を選ぶためのガイド
海外SEOのよくある質問
海外SEOに関する、よくある質問をここでとりあげ解説します。
Q:海外SEOはどのような場合に必要ですか?
Answer)EC事業の海外展開を予定していて、SEOでWEBサイトに集客する場合は海外SEOが必要です。ただし、WEBサイトに対する主軸の流入経路を別途用意する場合は、必ずしも海外SEOが必要になるとは限りません。
Q:翻訳だけで海外展開できますか?
Answer)翻訳は海外SEOの基本的ですが、それだけでは収益増加などの目的を達成することは困難です。海外SEOにおいては、特定の地域や文化の検索動向を理解し、それに応じたキーワードリサーチやコンテンツ最適化をおこなうことが重要です。
Q:同時に複数の国に展開できますか?
Answer)同時に複数の国に対して展開したり、SEOをおこなうことは可能です。ただし、優先順位をつけて戦略を組むことが望ましいです。優先順位は、各国の市場の大きさや、自社にとっての重要度などにもとづいて優先度を決定します。優先度の高い国から1つずつターゲット国を増やした方が、SEOの成功パターンを応用しやすいです。
Q:「多言語SEO」の意味は?
Answer)「多言語SEO」は「海外SEO」と同義で使用されることが多々ありますが、厳密には意味合いが異なります。海外SEOとは、海外向けサイトを構築した際に実施するSEO施策のことです。対して多言語SEOとは、複数言語を用いて構築したサイトの検索エンジン最適化を指します。例えば、事業を海外展開する際にゼロベースから海外向けのWEBサイトを構築して、使用言語を英語だけに絞ったとしたら、多言語SEOではなく海外SEOという言葉が使われます。
まとめ

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